フランスのとある地方の王(ベンウィック王バン)の息子。
その王が他国に攻められた際、母と共に落ち延びるのだが、
通りがかった湖に住む精霊にさらわれ、幼少期を湖の国で過ごすこととなる。
そのため、"湖のランスロット"と呼ばれている。

騎士の中の騎士、比肩する者なき傑物とも言われ、
実際、騎士としての実力はアーサーよりかなり上だったらしい。
その容貌は極めて美しく、惚れ込んだ女は数知れず。
性格的にも、 騎士道を体現したような清廉潔白な人物でもあった模様。

が、しかし。
生涯、不倫の愛を貫いたという、プラトニックな騎士道の真逆を行った人でもある。
要するに、無二の親友であるアーサーの妻グィネヴィアに惚れてしまい、
あまつさえ一線を越え続けてしまうのであった。

しかも、ここに別の女まで割り込んでくる。
ランスロットに惚れ込んだエレインという某国の姫は、ランスロットに魔法を掛け、
自分をグィネヴィアと思い込ませて一夜を共にするのであった。
(この時、エレインが身籠もるのが聖杯の騎士ガラハッドである。)

そういった紆余曲折・波瀾万丈を交えつつも(ランスロットは恋に狂うあまり、
正気を失っていた時期がある)、グィネヴィアとランスロットの不倫は続く。

しかし、ある日、モルドレッドの策略により、ついに二人の関係は白日の下にさらされ、
グィネヴィアは処刑されることになってしまう。
それを力ずくで助け出したランスロットだが、
その過程でガウェインの弟達を殺してしまったため、ガウェインが激怒。
これがキッカケで、国を割っての戦争へと発展していってしまう。

その戦争は双方に犠牲者を出しながらも休戦するのだが、
そこからモルドレッドの反逆~アーサーの死という最悪の流れに繋がっていく。

そのアーサーの死後、グィネヴィアはさすがに反省したようで、尼となる。
ランスロットはしつこく迎えに行くのだが、逢いさえしてもらえない。
親友を喪い、恋人も失ったランスロットも失意のままに、やはり僧となる。
そうしてグィネヴィアの亡くなった日。自ら食を断ち、緩やかにその生を閉じていった。