円卓の騎士の一人。
"双剣の騎士""野蛮なベイリン"等とも呼ばれている。

出自は不明。
ある日、(アーサーの?)宮廷に「最も優れた気高い騎士」にしか抜けない剣を
携えた貴婦人が現れる。
幾人もの騎士が挑戦するも、鞘から引き抜けずに終わる。
そこに現れたのが、(アーサーの?)従弟を殺害した罪で投獄されていて、
ようやく釈放されたベイリンであった。
ベイリンは、苦もなく剣を鞘から引き抜くことに成功する。
ところが、その段になって貴婦人は
「この剣には、自分の最も愛する者を殺す呪いが掛けられている」などと言い出し、
剣の返還を求める。
ベイリンはそれを拒絶するだけでなく、貴婦人を殺してしまうことで、
剣を自分のモノとする。
この呪いを受けた剣と、元々の自分の剣の2本を携えたことから、
ベイリンは"双剣の騎士"と呼ばれるようになる。

なお、貴婦人(乙女)を殺したことでアーサーの不興を買い、
ベイリンは宮廷を追放されてしまう。
(ちなみに、この剣は後の登場するガラハッドのために妖精が鍛えた聖剣である、
 とする説もある)

 

それでもベイリンは、アーサーの国土統一の戦いを助けた。
アーサーが、ガーロンという姿の見えない騎士に苦戦していると知るや、
その騎士を倒すために行動を開始する。
そうしてベラム王(漁夫王)の城を訪れた際、見事にガーロンを打ち倒すも、
すぐさま今度はベラムに追い立てられることになる。
(ベラムがガーロンの兄であったとも、城内での武器の携帯は禁止されていたのに、
隠し持っていた剣でベイリンがガーロンを討ったから、とも)
逃げ回るベイリンは、城の中にあった槍を見つけると、それでベラム王に反撃をする。
その槍こそロンギヌスの槍であり、その一撃はベラムに傷を負わせるだけでなく、
城を崩壊させ、国土をも荒れ果てさせるという"悲しい一撃"となったのだった。
また、ロンギヌスによって負ったベラムの傷はどんな治療でも治らず、
聖杯の力を借りるほかない、となるのであった (これが、円卓の騎士達による
聖杯探索へのキッカケでもある)。

その後も旅を続けたベイリンは、とある島に辿り着く。
そこから先へ進むには、そこにいる騎士と戦わなくてはならないと言われる。
戦いに挑むことにしたベイリンだが、住民(とある騎士)の助言を受け
、盾を借り受けて勝負に向かう。
そうして激闘の末、自分も深手(致命傷)を負いながらも、相手の騎士を打ち倒す。
ところが、その騎士は自分の弟(ベイラン)その人であった。
互いに嘆きあった兄弟は、同じ墓に埋葬するよう言い残し、息絶えるのであった。