クラウ
「ち、ちが! そんなことあるわけないだろっ! いっ、いい加減なことを言うと、承知しないからな!」
 自分でも分かっていたからだろう、クラウは宙吊りにされた身体を揺らしながら、ムキになった声で反論してくる。
 だがそうやって動けば動くほど、中から搾り出されてくるかのように、染みが広がっていった。
ルクス
「ふ〜ん。それじゃあ、このシミは何なんだ?」
クラウ
「知るか! ……とにかくあたしは、感じてもいないし、濡れてもいないんだからなっ」
 クラウはギャンギャン喚きながら、オレを睨みつけてくる。
 しかし、どう言ってみたところで負け犬の遠吠えだ。
ルクス
「そういうことなら、是が非でも感じさせてやらないと可哀想ってもんだよな、うん」
クラウ
「なっ!? そんなことしなくていい! それよりも、これをサッサと解け!」
ルクス
「はっはっはっ、遠慮するなよ。しっかりと可愛がってやるからな」
 オレの言葉に、クラウがいよいよ血相を変えて怒鳴る。
 オレは笑顔で受け流すと、いよいよそこへ指を伸ばしていった。