香澄
「……んぁぅっ……く、くくぅっ!」
 手が触れた瞬間、厳格な雰囲気の和服に包まれた香澄の身体が、ビクッと大きく震える。
 その反応に、俺はにんまりと顔を緩ませた。
雅人
「思った通り、かなり効いてるようだね」
香澄
「な……にっ……!? っく……くふぅっ、何、がっ」
雅人
「媚薬だよ。身体が熱くて、堪らないんじゃないかな?」
 俺はさらさらとしたその手触りを楽しむように、絹の上でてのひらをゆっくりと滑らせる。
 肩から背中、背中から腰……。女性らしいゆるやかな曲線をなぞっていく。
香澄
「……っ! ん、くぅ……っ……や、止めっ……」
雅人
「ほぅらね、こうやって撫でるだけでも、そんなに震えちゃって……。身体が疼いてくるだろう?」
香澄
「余計な、お世話ですっ……は、早くどいてっ……そこから、手を離して、くださいっ……」
 絹ごしにもわかる、香澄の上昇した体温。
 変わらず顔は紅潮し、目尻も赤らんできている。
雅人
「んー……でもさ、紫藤君。すごく興奮してるよね」
香澄
「んぅっ……! そっ……んな……馬鹿な、ことっ」
雅人
「隠さなくてもいいのに」
 指先を軽く動かし、腰の辺りの柔らかい肉を刺激してやるだけで、香澄の身体はぴくぴくと反応する。
雅人
「僕を追い出してどうするんだい? 一人で寂しくオナニーするの? そんなことしなくっても、僕がちゃ〜んと気持ち良くしてあげるよ」
香澄
「誰がそのようなっ……ん、……んくぅっ……」
 強気なことを言ってても、うっすらと浮かび上がった下着のラインに手を滑らせば、応えるように香澄の口からは甘い吐息が漏れる。
香澄
「……っく、ん……くふ、ふっ……んっ……」
 香澄もそんな自分に気づいたのだろう。ハッと慌てて口を噤もうとするが、もう遅い。俺の耳にはシッカリと、くぐもった吐息が残っている。
 俺は、そのままじんわりと焦らすように、指先を動かしてやった。
雅人
「ほら〜、先生、我慢なんてして欲しくないなあ」
香澄
「んぅっ……そ、その汚らわしい手で、私に触れないでください……っ」
雅人
「またまた〜。ホントウはもっと触って欲しいくせに。特に、ここなんか……」
 俺はお尻に添えていた手を、肉の丸みに沿って動かす。指先が股間に触れる。
香澄
「……っは……はぅぅっ……!」
 香澄が息をのんだ。熱い。
 突き出された双丘の狭間は、布越しでもわかるくらい熱を持っている。
雅人
「すごいなあ、着物の上から触ってるのに……こんなに熱くなってるよ」
香澄
「やめ……なさ、いっ! なんてところを触って……」
 香澄の頬が、カァッと赤みを増す。
 彼女のこれまでの反応を見る限り、布越しといってもこんな場所を他人に触られるのは初めてなのだろう。
雅人
「……それに、うん。ホラ、濡れてきてるね」
香澄
「まさか……! う、嘘を言わないでくださいっ」
雅人
「そう〜〜? じゃあ、僕が嘘を言ってるかどうか……確認しよっか」
香澄
「え……や、やめ……っ」
 俺は、きっちりと閉じられた香澄の膝に手をかけるとゆっくりと股を開かせた。