「んぶむふぅっ!? んぐぐっ……ん、んぶぅっ、ん、ジュ、じゅぐぅ……ん、んんっ」


 熱い肉の塊が、一気に口腔を埋め尽くしてきた。

 瞬間、私の頭は真っ白になってしまっていた。

 その息苦しさよりも、ソレの放つ、舐めていた時より遥かに強烈に伝わる汚臭とえぐみが私を苦しめる。

 少しでも触れずに済むように大きく口を開けば、男は調子に乗ってグイグイと喉奥にまで突き込んでくる。


「ぶふっ、ふぐぅっ、うん、んぶぇっ……! んぶっ、ん、むふぶぅっ!」


浮浪者C
「おっほ、さすがに温かいわい。ソラ、舌はどうした? もっとシッカリと擦り付けてくれんかな?」


浮浪者D
「お、おい、こっちもだぞ! サボってないで、自分でちゃんと、手を動かせ!」


 苦しさに喘ぐ私は、その命令に従うことが、この苦痛からの解放に繋がると、勝手にそう考えてしまっていた。

 あるいは、男達の自由に蹂躙されるくらいなら、自分から動いた方が、まだ苦痛が少ないと考えたのだろうか。

 いずれにせよ私は二人に言われるがまま、舌で亀頭を舐め、手で肉棒を扱き上げていった。


「はぁう……んじゅ、ジュル、チュブ……んん、はぁ、ちゅる、チュ、チュグ……ングクゥ」


 舌を動かせば、こびり付いていた垢の味がガツンッと脳を揺さぶってきた。

 生理的嫌悪感、不快感が私に嘔吐を命じる。

 それでも私は、どうにかその衝動を飲み下して、口腔を塞ぐ男のものに舌を擦り付けていく。

 胃液の酸っぱい様な味が、口内で垢の味と交じり合う。

浮浪者C
「ほれほれ、もっと唇を引き締めんか」


浮浪者D
「こ、こっちもだ。手の動きが鈍くなってるぞ」


 二人からの言葉に必死に舌と手を動かす。

 しかし、二つの行動をうまく出来ない私に、スーツ姿の男がまたもや怒鳴りつけてくる。

浮浪者D
「ち、違う違うっ……ももっと手に力を入れるんだ!」


 男の怒鳴り声に、私は不覚にも、怯えたように身体をビクッと震わせてしまう。

 そんな自分の弱さを叱咤しようとした時、笑いを過分に含んだ声が降ってきた。

浮浪者B
「おいおい、それじゃあこの姉ちゃんが可哀想だろ? なぁ、姉ちゃん。アンタももっと楽しみたいよな?」


 半ば意識を朦朧とさせられたまま、私は声のした方を振り仰いだ。

 そこに、ニヤリと笑う男の顔があった。