「ぐっ……っ……くぅぅっ」


浮浪者E
「ぅわ、わ、わわっ……!」


浮浪者B
「ヤリマンかと思いきや、綺麗なもんだな、姉ちゃん。ちゃ〜んと、手入れもしてるみたいだしよぉ」


 下着を剥ぎ取った男は、腰を突き出して自身のそれを見せつけながら、私に嫌らしく笑いかけてきた。

 その不遜な態度が、萎えかけていた私の心を奮い立たせてくれた。

 秘すべき場所をさらけ出された汚辱も、そこを無遠慮に注視される恥辱も、それのもたらす痺れるような熱く暗い情欲も、すべてを私は乗り越えていた。

 そうだ。私はこの程度で挫けてはいけない。

 今ここで怯えていては、白鬼丸の思う壺。

 大丈夫、私はコレくらいで負けたりはしない。そう、負けたりはしない。

 自分に言い聞かせるように心の中で繰り返し念じると、私は怒りと侮蔑を込めて男を睨み付けてやった。


「……その程度の、粗末なもので……いい気になって、いたのですか?」


浮浪者B
「くあ〜、言うねえ。痺れちまいそうだ」


 男はペシッと自分の額を打つと、喉の奥で笑い出した。

 それからおもむろに顔を上げると、ゴツゴツした手で私の脚を大きく割り開かせてきた。

浮浪者B
「それじゃあまあ、粗末なもので申し訳ありませんが、精一杯に励まさせていただくとしましょうかねぇ?」



「んくっ……ん……何をしようと、もう、無駄です」


 男が、剥き出しとなった私の股間にソレを押し付けてくる。

 それは、他の男達と同じように垢にまみれていたが、ここにいる誰よりも大きく、そして熱かった。

 触れ合わされた瞬間、思わず腰が跳ねてしまうほどに。

浮浪者B
「へへへ、どうした、姉ちゃん? やっぱり、ホントは欲しくて堪らないんだろう?」


 不気味なほどに血管を太く浮き立たせたそれが、私のそこをゆっくりとなぞって来た。

 クチャッ……と、濁った水音が鳴るのと同時に、そこから全身へと“熱い”としか言えない不可思議な怖気が広がっていった。

 私は、噛み砕くほどに強く奥歯を噛み締め、踊りだしそうになる腰を、必死に押さえ込んだ。


「つっ、んぐ、んっく、くぅぅっ……!」


浮浪者B
「ホ〜ラ、そんなに震えて。我慢は身体に毒だぞ?」



「は、はぁ、あ、ん……何を、馬鹿なっ……そ、そんなおぞましい、ものっ……触れられれば、だ、誰、だって……っ」


 額には汗を滲ませ、喉を引き攣らせながら、それでもどうにか男の言葉を跳ね除けようとする。

 その実、心の中は焦りで一杯だった。

 見知らぬ男に犯される、という恐怖。

 そうしてそれ以上に、そうされることを身体が欲しているという、その事実に。

浮浪者B
「へへへへへ、ホント、上の口は嘘つきだなぁ、ええ? 下の口は、ホ〜ラ」



「ふぐっ、ん、んぅっ……や、めっ……な、さぃぃ」


 男の先端が、私の入口を押し開くように突付いてきた。

 それだけで私のそこは、その中は、男を迎え入れようとするかのように蠢き、はしたない汁を零してしまっていた。

浮浪者B
「さ〜って、それじゃあ正直な下のお口には、ご褒美をあげないとなぁ?」


 ニタリと残酷な笑みを浮かべた男が、私の身体に圧し掛かってくる。

 それが、いよいよ強く押し付けられる。


「い、いやっ……あ、ああ、いや、来ないで、そんなっ……それ以上は、あ、ぁぁあっ……」