浮浪者E
「で、出たぁ……」


浮浪者B
「はっはははは、えらくぶっ掛けたもんだな。よっぽど溜まってたのか? いや、それとも兄ちゃん童貞かい? んん?」


浮浪者E
「そ、そういう、わけじゃあ……」


 呆けたような表情を浮かべ、満足そうな声を漏らした男を、隣にいた男がからかっていた。

 しかし私は、そのようなやり取りを気にする余裕など持ち合わせていなかった。

 ドロリと粘性の高い、そしていまだに熱を感じさせる液体が、糸を引くようにして私の肌を流れていく。

 それは、確かに鳥肌が立つほどおぞましい感触なのに、私は何故だか熱い吐息を漏らしてしまっていた。



「ん、ふぅ……はぁ、はぁ、んふぅ……」


浮浪者B
「おぉ? どうした姉ちゃん、顔が赤いぜ? ザーメンぶっかけられて、余計に興奮しちまったか?」



「そんなわけ……あるはず、ないでしょう」


 そう言い返しはするものの、呼吸の度に吸い込まれる精臭は、いよいよ私の劣情を刺激してくる。

 今ではもう、股間がズキズキと痛いほどに疼いていた。

 私の身体は、いったいどうしてしまったというのか。

 ままならない己の肉体を恨めしく思いながらも、私は少しでもソコを隠そうと、膝を内側に捩っていた。

 けれどもそれが、かえって男の目を引き寄せることとなってしまった。

浮浪者B
「おやおや。やっぱり、もう待ちきれないみたいだな」



「だ、誰がそのような……違うと、言っているでしょう」


浮浪者B
「ははは、分かってるって。それじゃあ、お待ちかねだ。タップリと相手をしてやるよ、姉ちゃん」


 男は言うが早いか、下着に手をかけると一気にそれをズリ下ろしてしまった。