「チロ……んぅぅっ……! こ、こんな、む、無理……ハッ、はぁ、はっ、ぁぁ……」


 舌先に触れたそれは、唇に触れさせられた時とは比較にならないほどの、苦味とも生臭さともいえない異様な味を伝えてきた。

 嘔吐感が込み上げ、口の中が酸っぱくなる。

 とっさにそれを飲み下そうとすれば、舌に残っていたその味が、口一杯に広がってしまった。

 私は何とかそれをかき消そうと、男から顔を背けると犬のように舌を出して喘いだ。

浮浪者C
「自分でやると決めたんじゃろう? まったく、最近の若い娘は、なっとらんなぁ。ホレ、早くせんか」


 男が私の髪を掴んで、強引にソレに向き直らせる。

 私は悔しさに顔を歪ませながらも、他に術はないのだと自分を無理やり納得させながら、舌を動かしていった。


「ちゅ……れろ、ペロ……ん、はっ、はぁっ」


 ほんの軽く舐めただけで、味覚が壊れてしまいそうな、痺れるような感覚が走り抜ける。

 その刺激に思わず顔を放そうとしたが、頭をシッカリ掴まれているため、背けることさえ出来なかった。

浮浪者C
「ホレ、どうした? もう終わりとでも言うのか?」



「はぅ……ちゅ、レロ、ペロ……んん、ちゅ」


 再び嘔吐感が込み上げて、胃液が喉のすぐそこにまで迫ってきているのを感じる。

 私は、その酸っぱさと悔しさに涙ぐみながらも、男の汚れたモノに懸命に舌を這わせていった。


「レロ、れろろ……ん、は、はぁ、はぁ……ちゅぷ、ん、れるろ……レル、ピチュ、れろ……」


浮浪者C
「もっと、カリの所を舐めてくれんかのぉ。儂はそこが一番気持ち良いんでな。唾もタップリと使ってな」



「くぅっ……レロ、ンチュッ、ちゅぷ、ちゅ、れろろー……ん、んふぅ……チュ、チュチュッ、ぴちゅ」


 いよいよ図に乗る男を心の中で唾棄しながらも、望みどおりに舌を動かしてやる。

 大きく膨らんだ先端の、その括れを、タップリと唾液を乗せた舌で舐めくすぐり、吸い付いてやる。

 そこには、こってりとした脂のような垢が溜まっていたが、私はそれを舌に掬い、飲み下していた。


「んぐぅっ、ん、んぇっ……んぅっ……ぶはっ、はぁぁ、あ……ん、レロ、れろろ……ぺろ、ぺろり、ンチュッ」


 口腔を満たした汚臭に内側から目を刺され、涙が滲み出てくる。

 いまや私の吐く息が、腐臭を放っていた。

 その目も眩むほどの汚辱感の中で、対照的に少しずつ汚れが取り除かれていくソレを、さらに舐め立てていく。

 それこそ、自分の舌で汚れをこそぐように丹念に。


「レロ、ンチュ、チュゥゥッ……はっ、ん……ペロリ、れろ、ぺろ、チロチロ……」


 頭の芯が痺れ、ボゥッとしてきてしまう。

 それでも舌は、その先端を舐め続けていた。

 そこへ男の大きな笑い声が飛び込んできて、私を現実に引き戻した。

浮浪者B
「おいおい、姉ちゃん。俺に弄られてた時よりも、全然濡れてきてるじゃないか」